100歳大学基本理念 2018年10月
人間の生殖・生産期の上限である50歳で人口構造を区切ると(長谷川敏彦氏による提案* )、明治維新から1970年ころまでは50歳以上の割合は15~20%と安定し(この値はかつての多くに国と同様で、18~19世紀から続いている)、その後次第に上昇し、2060年ころから57%となって再び安定する。
しかしその時は、これまでと全く異なる社会であり、そのモデルは未だない。
そして現在は、この19世紀型から21世紀型への転換期の真っただ中であり、前人未踏の超少子・超高齢・総人口減少社会に突入しつつある。
これを現在の高齢者から見れば、平均寿命は長くはなるが健康でない期間は短くならず
(男性9年、女性12~13年)、医療・介護費は年々増加し(現在、高齢者1人当たりの年間
医療費は非高齢者の5倍)、保険料も年々高くなり、利用した場合の負担金は一律1割負担
から所得により、2割、さらに3割負担と増加、特養も原則要介護3以上でないと入居できな
くなり、老々介護や独居老人の増加という、生きづらい状況の波が徐々に押し寄せている
。
一言でいえば、有効な政策が追いつかず、どのような21世紀型の社会が出現するのか全
く見えてこない。
しかも世界は未曾有の(人類による)地球環境破壊が進んでいる。
これをどう乗り切って新しい展望を開くか。
このピンチをどうチャンスにきりかえるか。
その鍵は高齢者層の意識改革と主体の確立である。
それはまた明治以降の、とりわけ戦後の依存体質から抜け出すことでもある。
自分の身体は自分で守る、介護から自立への発想の転換。
西洋医学一辺倒・薬漬けの医療を見直し、自己治癒力を最大限引き出し、予防に徹し、100歳まで、死ぬまで元気に生きる決意をすることである。
日本人の本来の自発性を引き出し、仲間とともに、文化・伝統を掘り起こし、楽しく創造的に地域づくりを進め
、次世代に手渡すことである。
正しい自然観・人間観・生命観を確立する必要もある。
このような高齢者自身の主体的活動によってしか、現在の日本の現状を救うことはできない
し、それはまた今後のモデルの1つを与えることにより世界に貢献することになる。
さらには、我々自身の生きがい、自由の天地に羽ばたく喜びにもつながる、まさに一石三鳥であ
る。
我々のめざす100歳大学は、そのような高齢者を輩出するための拠点である。
*長谷川敏彦氏・・・一般社団法人未来医療研究機構 代表理事
(参考:長谷川敏彦氏による人口遷移論)
我々100歳大学の狙い:
2.自己治癒力を引き出し健康長寿の基礎を学ぶ
3.農業活動を通じて循環型社会の基礎を体得する
4.地域づくりの担い手を育てる
5.行政と協働し持続可能な社会をめざす