知っているようで知らない?「健康寿命」と「健康余命」の違いを徹底解説

近年、日本の平均寿命は世界トップクラスですが、「長生き」することと「健康でいられる」ことはイコールではありません。私たちが目指すべきは、単なる長寿ではなく、「いかに長く健康で活動的な生活を送れるか」です。

その鍵となるのが、「健康寿命」と「健康余命」という二つの指標です。どちらも「健康な状態で過ごせる期間」を指しますが、実は算出の視点に違いがあります。

このブログ記事では、この二つの指標の違いを分かりやすく解説し、私たちの生活にどう役立つのかをご紹介します。

1. 健康寿命(けんこうじゅみょう)とは?

最もよく耳にする「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。

簡単に言うと、「誰かの介護や介助なしに、自分で食事、着替え、入浴などの身の回りのことができ、自由に外出したり活動したりできる期間」を指します。

【健康寿命のポイント】

  • 視点:生まれた時点(0歳)から数えて、平均して何歳まで健康でいられるかを示します。
  • 算出: 厚生労働省が算出しており、日本の健康寿命は世界トップクラスです。
  • 現状の課題: 「平均寿命」と「健康寿命」の差は、「不健康な期間」を表します。この差を縮めることが、私たち自身のQOL(生活の質)向上のため、そして社会全体の課題となっています。

<例で理解する>

例えば、平均寿命が85歳だとしても、もし最後の10年間は病気で寝たきりだったり、介護が必要な状態だったりした場合、健康寿命は75歳ということになります。

2. 健康余命(けんこうよめい)とは? ⏳

「健康余命」は、「余命」という言葉が示す通り、「ある年齢の人が、その時点から平均してあと何年健康な状態で生きられるか」を示すものです。

健康寿命が「生まれてから」の期間を示すのに対し、健康余命は**「今いる年齢から、残りの健康な期間」という視点になります。

【健康余命のポイント】

  • 視点: 特定の年齢(例えば60歳、70歳など)から数えて、平均してあと何年健康でいられるかを示します。
  • 使い道: 現時点から将来を見据えるための指標として、より個人的な計画(退職後の活動計画や健康投資など)を立てる際に役立ちます。

<例で理解する>

もし60歳の人が「健康余命があと15年」と算出された場合、その人は平均して75歳まで健康な生活を送れると期待できる、ということです。($60歳 + 15年 = 75歳$)

3. まとめ:「健康寿命」と「健康余命」の違い

指標 視点(数え始める時点) 示しているもの
健康寿命 生まれた時点(0歳) 「生まれてから、介護なしで元気に生活できる平均的な期間
健康余命 特定の年齢 「今いる年齢から、介護なしで元気に生活できる平均的な期間

4. なぜこの二つの指標が重要なのか?

平均寿命が延びる現代において、重要なのは「期間の長さ」だけでなく「質の高さ」です。

どちらの指標も「健康な期間」を重視しており、私たちがより長く、活発で、質の高い生活を送るために不可欠な考え方を提供してくれます。

「健康寿命」と「健康余命」を意識することで、私たちは

  • 生活習慣の改善
  • 健康診断の受診
  • 適度な運動や社会参加

など、「健康な期間を延ばすための具体的な行動」への意識を高めることができます。

自分の健康余命を意識して、今日からできる健康習慣を始めてみませんか。それは、豊かな未来への一番確かな投資になるはずです。

おすすめの記事