
2023年7月8日(土)の朝刊に「エーザイ認知症薬米承認」との記事が出ていましたので紹介します。
米食品医薬品局(FDA)は6日、エイザイと米バイオジェンが開発した認知症薬「レカネマブ」を正式承認した。アルツハイマー病の進行スピードを緩やかにする効果を証明した初の医薬品です。
日本では今秋の9月末にも承認が判断される見通し。
治療が困難とされた認知症対策は新たな局面を迎えます。
アルツハイマー病は認知症患者の6~7割を占める代表的な疾患です。
国際アルツハイマー病協会によると、3秒に1人が新たに認知症を発症しています。
現在世界で5000万人とされる患者数は、2050年に1億5000万人と3倍まで増えるといい、新薬への期待は大きいものがあります。
日本での薬価は、海外で先に承認された場合、その価格が前提となるケースが多く、300万円前後の可能性があります。
保険適用時の高齢者の医療費の自己負担割合は1~2割程度。
負担が一定額を超えた分を払い戻す高額療養費制度や自治体の助成制度もあり、負担額はさらに減ります。
レカネマブは社会保障費への影響も大きい。
投与対象は早期患者とはいえ、米国の認知症患者は600万以上いるとされています。
それは、長期的にみれば、社会保障費の圧縮につながるとの期待があります。
日本でも認知症患者は500万人~600万人とされ、医療保険の重荷になる恐れがあります。
「認知症治療は医療の枠組みだけでははかれません。
介護費用の圧縮などで社会保障費の財政の長期的な改善につながるかを考える必要がある」と指摘されています。