老化に伴う身体の変化―その6

⑪ 脳神経系:脳は加齢により萎縮し、重量、体積ともに減少する。高齢になると、画像検査でも脳の萎縮が明確に見られることが多い。

脳の萎縮は大脳に最も強く、小脳。脳幹の順で見られやすい。大脳では前頭葉、側頭葉に萎縮が強い傾向にある。

顕微鏡的には、脳の神経細胞の萎縮と消失が見られる

末梢神経では、神経細胞および情報伝達を担う軸索数の減少があり、神経伝導速度の低下が見られる。

以上の変化には個人差があり、人により出現する年齢や過程にはある程度の差異がある。また、各機能の部分でも述べたが、生理的老化に伴う変化は、日常の生活には大きな支障はない場合が多い。

ただし、予備能力の低下があるため、少し激しい作業や運動、精神的ストレス、環境の変化など、何らかの負荷がかかった場合には問題が起こる危険性が高い点に注意が必要である。

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