③感覚器系:老化による視覚の変化としては、視力の低下、調節力の低下、光覚の低下がある。
水晶体の厚さを変えてピントを合わせる能力である調節力が低下すると近いところが見えにくくなり、いわゆる老眼(老視)となる。光を認識する光覚の低下により暗順応が悪くなり、暗いところに移動した時になかなか目が慣れずに見えにくい状態となり、 転倒などのリスクが増す。
聴覚については聴力の低下(老人性難聴)、語音語弁別能力の低下などが起きる。老人性難聴は内耳より中枢性の問題による感音性難聴で高音域から聞こえにくくなる。
弁別能力が低下すると、音(言葉)を明瞭に聞き分けることが難しくなる。味覚、嗅覚、皮膚感覚など他の感覚も低下する傾向にある。
④循環器系:血管の弾力性低下、心筋の収縮力低下、心臓の肥大などが見られる。
運動時の最大心拍数や最大心拍出量は減少するが、安静時の心拍出量には大きな変化はない。
そのため、高齢になっても普段の生活では、強い動悸がして苦しいなどということは原則的には見られない。
血圧は、収縮期血圧は加齢により上昇を続けるが、拡張期血圧はある程度の年齢でピークとなる。