認知症にやさしいまち「神戸モデル」

今や認知症は、世界規模の大きな課題ですが、なかでも最も高齢化が進んでいて「認知症大国」と呼ばれているのが日本です。

内閣府が発表した「平成29年度版高齢化白書」によると。2020年時点における認知症患者の推定人数は約600万人となっており、65歳以上の6人に1人が認知症というデータが出ています。それと同時に、認知症予備軍といわれるMCI(軽度認知障害)の高齢者も約400万人いることが報告され、これらを合わせると1,000万人、つまり高齢者全体のほぼ1/3が、認知症もしくは軽度認知障害を抱えているのが実情です。

神戸市では、2019年から、65歳以上の市民を対象に、無料で認知症診断を受けられる助成制度をスタートさせました。

診断は、認知機能検診と認知機能精密検査の二段階で、第一段階で少しでも認知症が疑われる場合には、エスカレータ式で第二段階に進んでもらいます。

第一段階で担当するのは、地域の医療機関、主に開業医になります。そして第二段階を担当するのは、認知症を専門とする医療機関で、保険診療ベースで各種検査、画像診断(MRI)を行います。

保健診療のため自己負担分はかかりますが、それを神戸市が後で償還払いするシステム、要するに自己負担ゼロで認知症検査を受けられるのです。

また初回の検査で認知症ではないと診断されても、その後も継続的に年1回、認知機能のチェックを無料で受けられます。

なお、診断で認知症であることが発覚した場合は、認知症の方が事故を起こして賠償責任を負った時の保険への市負担による加入、見舞金支給、さらに相談窓口を用意しています。

そういう認知症の予防に全く新しく取り組み始めたのが神戸市です。なお、それに引き続いて、横浜市、名古屋市も実施しています。

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