老化に伴う身体の変化-その3

⑤呼吸器系:加齢による肺の弾性の低下、呼吸筋力の低下、さらに肺胞の縮小による呼吸面積の減少などがあり、肺活量(最大限に吸い込んでから吐き出せる空気の量)は減少する。ただし、安静時の血液中の酸素分圧には加齢により大きな変化がないとされる。

したがって、日常の生活では呼吸には問題はないが、少し激しい動きをすると、すぐに息が苦しいということが起こり得る。

また、気道内の異物などを外に出そうとして咳をする咳嗽反射の低下があり、嚥下能力の低下と共に誤嚥性肺炎の危険性が増すと考えられる。

⑥消化器系:唾液分泌量の低下、舌圧の低下、歯の減少などにより咀嚼機能が低下する。

なお、食物などにより刺激された時に分泌される刺激唾液量に限定すると、加齢による変化は小さいとされる。

加齢による嚥下反射の低下、喉頭挙上能力の低下、舌圧の低下は、誤嚥の危険性を増す。

また、食道、腸管の運動(センドウ運動)が低下し、内容物を運搬する力が落ちる。

これは嚥下能力の低下、便秘傾向につながる。

胃液、胃酸分泌の減少により消化機能が低下し、胃もたれが起きやすくなる。吸収はカルシウムなど一部について低下する。 

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